5G時代到来!デジタルサイネージの可能性が広がる

次世代ネットワーク「5G」がさまざまなシーンで話題になっています。5Gが実用化されると世の中はどうなり、私たちにどのようなメリットをもたらすのでしょうか。また、デジタルサイネージの世界にはどのような影響があるのでしょうか。
今回は、5Gの基本的な特徴やデジタルサイネージの世界にもたらす変化などについてご紹介します。

「5G」は次世代通信規格の呼び名

5Gとは第五世代移動通信システムのことを指し、5Gの「G」は「Generation」の頭文字です。これは携帯電話などに利用される次世代通信規格のひとつになります。ちなみに現在の通信規格は4Gと呼ばれており、通信速度や同時接続数、遅延速度などが異なります。4Gから5Gに新しくなることで、通信速度は約20倍、同時接続数は約10倍、遅延速度は約10分の1になります。例えば、4Gで10秒かかるデータダウンロードが5Gでは1秒で完了します。その結果、表示遅延も少なくなり、よりリアルタイムな閲覧や操作がインターネットを介してできるようになるため、遠隔治療や自動運転などの分野が著しく進歩すると期待されています。
こうした進歩によって、従来は絵空事と考えられていたリアルな世界とサーバー内にあるバーチャルな世界が融合した「Society 5.0」の世界が実現する可能性が高まります。これは、AIやロボットがインターネット上にある膨大なデータや情報を自動的に処理できるようになり、単純作業なら人間の手を煩わせずに完了できる業務が増えると言われているもの。さらには遠隔治療や自動運転のみならず、少子高齢化問題や経済的格差の是正など、社会問題を解決する糸口にもなると期待されています。

5Gが実用化されると世界はどう変わる?

先述の通り5Gが実用化されると、これまでできなかったことができるようになり、世界は大きく変化すると思われます。4Gと比べて変化が大きいと思われる3つの視点から考えてみましょう。

高速化

5Gになると、4Gに比べて高速での通信が可能になります。それは一定時間内に多くのデータを送ることができることを意味します。また、4Kや8Kといった高画質の動画も閲覧可能になります。

低遅延

4Gも高速ですが、やはり遅延が発生します。5Gでは遅延が改善されて低遅延になると、離れた場所でもほぼリアルタイム通信が可能になります。リアルタイムなデータが求められる自動運転制御やVR/ARへの活用が可能になります。

多接続

5Gになって多くの端末を同時に接続できるようになると、監視できる監視センサーやセキュリティ機器を増やせるようになり、街全体をコントロールするスマートシティ構想の実現が可能になります。

5Gの実用化で、デジタルサイネージはこう変わる

ダイナミックDOOHの普及で、販促マーケティングが変わる

ダイナミックDOOHとは、見ている人や時間、周辺環境の変化に合わせて表示する広告を変える屋外型広告のことです。天気や時間などのリアルタイムデータやサイネージ周辺の環境、通る人に応じてコンテンツを迅速に変更することが可能です。5Gの高速・大容量性能によってよりデータの収集が格段にしやすくなり、ダイナミックDOOHがより身近なものになると予想されます。これまでよりも大量のデータをリアルタイムに収集できるようになり、マーケティング手法も大きく変わるでしょう。
例えばリアルタイムのロケーションデータを活用して、目の前を通る人に合わせてダイレクトに表示コンテンツを変えたり、メッセージを表示したりすることも可能になります。その場・そのタイミングで、その人に合ったコンテンツを届けることができれば、ターゲットの感情(気持ち)により強く訴求することができるのです。

ダイナミックDOOHの事例:
ニューヨークのタイムズスクエアで放映されたボディソープのCM

周辺の気象データを収集しており、雨が降り出すとコンテンツ内容が変わる。

8Kディスプレイが普及する

8K映像は高精細な分データ量も大きく、4Gでは配信不可能とされてきました。高速かつ大容量送信が可能な5Gを使用すれば、8Kのストーリーミング映像も滑らかでスムーズに配信できることが実証済みです。これにより高精細な8Kディスプレイをデジタルサイネージにも利用できるようになります。その結果、シズル感や繊細さ、美しさ、立体感をよりリアルに伝えられる高精細な広告映像コンテンツが扱えるようになるでしょう。広告用途以外にも、8Kの高精細で豊かな色彩表現は広医療や美術など様々な分野で期待されています。

動画コンテンツ、ARなどの3Dコンテンツが普及

5Gでは大きなデータを高速で送れるため、従来はデータが大きすぎて送信できないとされていた3D動画コンテンツをも送信して表示できるようになります。特に注目されているのが、大きなデータの送信と高精細8Kディスプレイなどを組み合わせ、3Dメガネなしで立体感のある3D動画コンテンツを表示できる仕組みです。

おわりに

通信規格はおおよそ10年程度のスパンで新しい規格が登場しています。まもなく大手通信各社での一般提供開始を控え、新たな時代の到来を象徴する技術として注目されている5G。デジタルサイネージが生活に欠かせない存在になる大きなきっかけになりそうです。本格提供開始後、私たちの暮らしがどのように変化するのか楽しみですね。

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