全米最大のデジタルサイネージの祭典『DSE』の入賞作品を紹介

最先端のデジタルコンテンツ戦略、ソフトウェア&ハードウェア、インテグレータやイノベータが集結する全米最大のデジタルサイネージイベント、それがデジタルサイネージエキスポ(以下:DSE)です。
今回は2019年に開催されたDSEにおいて、優秀な作品に与えられるDSE APEX賞を受賞した作品の中から4つの作品を紹介します。

景観を損なわない配慮がされたLEDビジョン


カリフォルニア州ロサンゼルス西部のカルバーシティにあるオフィスビルに設置されたLEDサイネージです。
屋外から太陽光がたくさん注ぎ込む開放感あふれるエントランス空間の上部に設置されたLEDビジョン。注目すべきはビジョンの左右に複数のスリットが入っている点です。
このスリットが背後から注ぎ込む太陽光を通すことで、太陽光がLEDビジョンと建物を調和、融合させる役割を担っています。
また、左右をスリット状にしたことで、既存の構造物だけで支えられるようビジョンの総重量を軽くしながら画面サイズを広げることに成功しており、同時にビジョンそのものの存在感も際立たせています。
こうした設置スタイルは、LEDならではと言えるでしょう。

インタラクティブテクノロジーを用いた体験型博物館


ミネソタ州ミネアポリスに本拠地をおくNFLチーム、ミネソタ・バイキングス。
50年以上の歴史を重ねてきたチームの歴史的アイテムを展示するミネソタ・バイキングス博物館は、歴史的アイテムと最新のインタラクティブテクノロジーを融合することで、訪れたファンがバイキングスの歴史を深く学べる展示が数多く用意されています。
博物館と聞くと、ケース内に鎮座した歴史的アイテムを眺めるだけだと思うかもしれません。しかし、バイキングス博物館は館内をひとつのストーリーに沿って歩き、その各所でタッチパネルやモーションセンサー、さらには画像を映し出す立体的オブジェクトを採用しており、観客が自ら操作できるインタラクティブサイネージを導入。体験を楽しみながら、歴史やコンテンツを知ることができます。
特に、本型の立体物に映し出された画像をページをめくる動作で変える仕掛けの展示などは、子どもたちも楽しみながら学べるように配慮されているのがわかります。
また、独自のCMSを導入することでコンテンツ更新も手軽に実施できるようになっており、運用側の負担も配慮されているそうです。

モーションセンサーによる癒やしのインタラクティブサイネージ


オハイオ州クリーブランドにある小児専門病院の待合スペースに設置された大型の液晶デジタルサイネージです。
画面の上部に動きを感知するセンサーを設置しており、サイネージの前に立った子どものゆっくりした動きに合わせて、まるで絵の具のように赤と青、黄の色が混ざり合います。
このインタラクティブサイネージは、大きく2つの目的を持って設置されました。ひとつは、長くなりがちな待ち時間を子どもたちでもしっかりと待てるようにおもてなしするため。もうひとつは診察前の子どもの気持ちを医療から遠ざけて不安を和らげるため。また、ゆっくり動かないと反応しないため、子どもに考えながら動作する余裕を与えるとともに、ゆっくり動くことで心を落ち着かせる効果も狙っています。

360°の3Dプロジェクションマッピング


トルクメニスタンのポリマー工場のオープニングイベントのために制作されたプロジェクションマッピングです。
工場のミニチュアを含む360°プロジェクションマッピングショーを実現しました。
このショーの実現に与えられた時間はわずか30日。30日の間に、1/183サイズのプラント施設のミニチュアと、360°プロジェクションマッピング用のコンテンツの両方を完成させて融合させる必要がありました。そのためミニチュアはほとんどを3Dプリンターで作成し、コンテンツはVRの技術を活用して仮想空間の中でシミュレーションを重ねました。
動画をご覧いただければわかるとおり大規模なプロジェクトで、実際のショーは非常にスペクタクルでダイナミックな演出が会場全体を包みこみました。

デジタルサイネージの最先端がここにある!

DSEは毎年アメリカのラスベガスで開催されています。
最新のデジタルディスプレイや、インタラクティブテクノロジーソリューションが、世界中から集まってくるのがDSEの素晴らしいところ。市場の最新動向を知ったり、新たなインスピレーションやアイディアを得られるかもしれません。現地を訪れることができない人も、Webサイトでその一端を垣間見てはいかがでしょうか。

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