オーダー型デジタルサイネージ事例|既存の樽型看板を活かした導入方法

「長年お店の顔として親しまれてきた樽型看板を、そのまま使い続けたい。でも、他社に相談しても『規格に合う製品がない』と断られてしまって……」と
ある飲食店様から、このような切実なご相談をいただいたことから今回の取り組みが始まりました。

店頭でお客様を迎える樽の看板は、お店の温かい雰囲気を象徴する大切な存在です。しかし、日替わりメニューや季節限定の案内を更新するたびに手書きの文字を消して書き直す手間が発生していました。書ける情報量にも限界があり、通りを歩く方の目にも留まりにくくなっていたのです。「新しい四角い看板に丸ごと買い替えれば簡単かもしれない。しかし、それではこのお店の歴史やぬくもりが消えてしまう」。

DDSは「できない理由」を探すのではなく、「受注生産の強みを活かして、どうすれば愛着ある看板の魅力を残せるか」を考え抜くことからスタートしました。

2つの設置プランと、それぞれに立ちはだかった課題

サイネージ設置前の外観イメージ写真ご相談当初、お客様からいただいた写真や看板の寸法をもとに2つの設置プランを検討しました。しかし、どちらの案にも課題がありました。

案1:樽の上部に屋外専用サイネージを取り付けるプラン

現地調査写真1つ目は、樽看板の真上に32インチの屋外専用サイネージを取り付ける方法です。屋外の風雨に耐えられる専用設計のため、耐候性や防水・防塵の面では最も安心できる選択肢でした。

しかし、こちらの案には重量という課題がありました。屋外専用サイネージは本体が非常に重いため、既存の樽看板だけでその重さを支えきれるかという懸念が生じます。背面に倒れ止めのスタンドを追加すると、既存の樽看板や店舗入口の雰囲気を壊してしまいます。

案2:樽の中央に屋内用サイネージを埋め込むプラン

樽看板現地調査写真2つ目は、樽看板の中央を四角くくり抜いて、画面をぴったりと嵌め込む方法です。これなら看板本来の佇まいを壊さずに済みます。

しかし、完全な屋外用サイネージは大きすぎて樽の枠に収まらないという問題がありました。枠に収まる半屋外向けのサイネージを選定する場合、吹き込む雨や風から機器をどう守るかが課題です。

お客様のご希望は「今ある樽型看板を残したい」

2つの設置方法をご提案したところ、お客様からは次のようなご要望をいただきました。

お客様のご要望

「できれば、今使っている樽型看板をそのまま残したい。
樽型看板そのものがお店の雰囲気に合っており、新しい看板に交換するのではなく、現在の看板を活かしたい」

「現在の樽型看板を残したまま、本当にサイネージを設置できるのか」、どちらの案が最善であるかは実際の状態を確認してみなければ判断がつきません。また、屋内用・屋外用のどちらが今の設置場所に適しているかも、図面上だけでは見極めが難しい部分です。

【次のステップ】
お客様とご相談のうえ、まずは一度現地を確認し、安全かつ確実に実現できる方法を探ることにしました。

現地調査で確認すべきポイント

現地調査確認ポイント
今回のような特殊な設置では、サイネージ本体のサイズだけを確認すればよいわけではありません。以下の課題を明確しないといけない。こうした細かな部分まで確認を行いながら、実際に設置できる方法を考えていきます。

確認項目 詳細・検討内容
取付面(蓋部分)の強度と構造 7kg(案1)または21kg以上(案2)の荷重に耐えられるか
開口および固定の可否 樽のカーブや木枠の厚みに対して安全に取り付けられるか
雨水の侵入経路 吹き込む雨の当たり方と、隙間からの浸水を防ぐ防水処理の納まり
電源の確保 既存の配線ルートを流用できるか、コンセントの位置や距離

現地確認で見極めた課題と具体的な解決策

現地で看板の実物と周囲の環境を細かく調査した結果、写真や図面だけでは分からなかった現場の実態と、それをクリアするための解決策が明確になりました。

課題1:半屋外における雨水の吹き込み
現地の状況
看板の上には屋根があるものの、風向きによっては雨粒が看板の正面に吹き込み、木枠が濡れる環境であることが確認できました。
解決策
屋内用のモニター前面の表示部には雨粒が直接当たっても耐えられる強化ガラス仕様を採用しつつ、最もリスクの高い「開口部の隙間」に対策を集中。看板に設ける縦376mm×横639mmの開口部とモニター接合部に、屋外用耐候性シール材(コーキング)を隙間なく充填します。
表面からの雨水が樽の内部や機器背面に回り込まない密閉処理を施すことで、半屋外でも故障リスクを確実に防げる見通しが立ちました。

課題2:看板の耐荷重と外観の維持
現地の状況
看板の内部構造や板の厚みを確認したところ、長年の使用による経年変化に加え、数十キログラムに及ぶ大型屋外用サイネージを支えられる耐荷重構造ではありませんでした。背面に大がかりな補強スタンドを組めば強度は保てますが、樽看板本来の雰囲気を損ねて店舗入口の景観を壊してしまう懸念がありました。
解決策
本体重量が約7kgと非常に軽量な27インチの屋内用サイネージを選定しました。この重量であれば既存の樽看板だけで安全に支えきることができ、追加スタンドや大がかりな補強フレームが不要です。木枠内側に補強金具を添えることで、看板本来のすっきりとした佇まいを維持したまま安全な埋め込み固定を実現しました。

課題3:電源ルートの確保
現地の状況
新たに配線を引き直すと外側にコードが露出し、エントランスの見た目を損ねてしまう懸念がありました。
解決策
これまで看板内部の照明用に使用していた既存の配線ルートをそのまま再利用できることが分かり、露出配線を作らず美観を保った電源確保が可能となりました。

課題4:外光の反射による視認性
現地の状況
半屋外の現場は日中の外光が差し込むため、通常の室内用モニターでは画面が白くぼやけて見えにくくなる懸念がありました。
解決策
一般的な屋内用ディスプレイの約3倍に相当する「1,000cd/m²」の高輝度パネルを選定。日差しの入る時間帯でも、歩道を通りかかるお客様が遠くからメニューや案内をはっきりと視認できる表示性能を確保しました。

看板の「らしさ」を守りながら便利にするオーダー型サイネージ

最終設置機器のイメージ写真現地調査で明らかになったデータと検証結果をもとに、「コストを抑えつつ、外観を崩さずに安全性を確保できる最適解」として、案1を発展させた【27インチ高輝度モニターの埋め込み+防水加工プラン】をお客様へ改めて提案しました。

懸念されていた雨水対策や電源の配線ルート、看板への負担についても具体的な設計根拠をお伝えしたことで、お客様にもご納得いただき、この仕様での製作・導入が正式に決定しました。こうして、長年親しまれてきた樽型看板の佇まいをそのまま活かしながら、表示内容を柔軟に切り替えられるデジタルサイネージの設置プランが形になりました。大がかりな外枠やスタンドを追加することなく看板の内側に画面を収めることで、店頭の景観を崩さずに情報発信の利便性を高めることができています。

デジタルサイネージの導入は、決まったカタログから四角い規格品を選ぶことだけが正解ではありません。店舗が培ってきた看板の形状や設置場所の環境に寄り添い、適した機器と施工方法を柔軟に組み合わせることが何よりも重要です。

DDSを運営するDESIGNSは、受注生産の強みを活かし、既製品の規格が合わない場所への設置や、既存の看板を再利用した導入相談にも柔軟に向き合っています。デザイン会社としての創造力と技術力を活かし、高品質なコンテンツ制作まで含めてお客様の情報発信を強力にサポートします。「自社の店舗にはどのサイズが最適か?」「設置工事や配信システムを含めた総額の見積もりが欲しい」といった具体的な疑問はもちろん、「手持ちの看板を活かしてサイネージ化したい」「設置環境に合う方法が分からない」とお悩みの方も、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

当サイトでは、各機器の詳細なスペック確認はもちろん、オンラインでの無料お見積り依頼にも対応しております。デジタルサイネージ導入においてコスト効率と効果を重視される企業様、店舗様、施設様は、DDS担当者にご相談ください。

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