街中のビルに設置されているLEDビジョンは遠くからでも目を惹きます。高い訴求効果のあるLEDビジョンですが、液晶のデジタルサイネージなどに比べると導入コストもそれなりの規模になってきます。導入の際はLEDビジョンのメリットと特徴から導入目的にあった機器を選定することが大切です。この記事ではLEDビジョンを検討中の方が知っておくべき内容を解説しておりますので、ぜひ最後までお読みください。
LEDビジョンの特徴・メリット
映像が明るい
LEDビジョンの最大の特徴は「画面の明るさ」です。ディスプレイの輝度(ディスプレイの明るさを数値で表したもの)は液晶ディスプレイに比べると格段に明るいため、遠くからの視認性に優れています。直射日光が当たる屋外でもはっきり目立ちます。
形状・サイズが自由に決められる
LEDビジョンはユニットを組み合わせて構成されるため、その大きさや形状も自由に決めることができます。曲面や球体など、四角形以外の様々な形状も可能なので場所に応じて柔軟に設置することができます。
メンテナンスがしやすい
LEDビジョンは小さな部品(LEDユニット:後述)の組み合わせで構成されているため、部分的に部品交換ができます。使用環境にもよりますが、一般的な寿命は10年ほどと言われています。※使用していくなかでドット欠けや輝度の低下が生じる場合もあります。
LEDビジョンの仕組み
街中のビルなどに設置されているLEDビジョンは、複数の「LEDユニット」を組み合わせることで構成されています。
LEDユニットはもう1段階小さな「LEDモジュール」を組み合わせて構成されていて、LEDモジュールの表面には小さな「LED素子」が埋め込まれています。このLED素子の中には極小の【赤・緑・青】のLEDチップが埋め込まれており、これらの光の組み合わせで、LEDビジョンは色を表現しています。小さなLEDの集合体がLEDビジョンということですね。LEDビジョンが明るいのはこれらのLED自体が光って映像を映し出しているためで、バックライトで照らす液晶ディスプレイと比べるとその明るさは歴然です。ちなみに、LED素子間の間隔を「ピクセルピッチ」と呼び、ピクセルピッチが小さい(間隔がせまい)ほどLEDビジョンの映像は精細になり、価格も高くなります。
このような構造上の特徴から、LEDビジョンはそのサイズや形状を自由自在に決めることができるのです。
LEDビジョンの選び方
視認距離とピッチの関係
上で解説したように、ピクセルピッチが小さいほどLEDビジョンの映像は高精細になります。しかしその分価格が高くなるため、必ずしも「高精細であればあるほどいい」というわけではありません。この点は液晶ディスプレイにはないLED独特の視点です。LEDビジョンを導入する際の大切なポイントは「どの距離からLEDビジョンを見るか」という点です。たとえばピクセルピッチが大きなLEDビジョンを近くで見ると映像は粗く見えますが、離れて見ると気にならなくなります。この設置場所からの視認距離によって、適切なピクセルピッチを選ぶのです。
LEDビジョンの適正視認距離(どれくらい離れて見るか)とピクセルピッチの関係は以下の式で求めることができます。
適正視認距離(m)=ピクセルピッチ×1.16
例えば視認距離が7mの場合、ピクセルピッチ(mm)=7(m)÷1.16、つまり適切なピクセルピッチは約6mmとなります。ちなみに、視認距離が2m以内の至近距離になるとコストパフォーマンスの面では液晶ディスプレイを検討するのも選択肢のひとつです。
設置場所は屋内か/屋外か
LEDビジョンには屋内か屋外かによって仕様が違います。ひとつは「輝度」です。目安としては屋内の日光が当たらない場所に設置するのであれば1000〜2000 cd/㎡、直射日光の当たる屋内や屋外であれば少なくとも4000 cd/㎡以上の輝度は必要です。
また、屋外に設置する場合は防水・防塵対策のほかに、炎天下の高温にも耐えられるLED素子やフレーム設計が必須になります。特に表面温度が50℃を超えてしまうような高温環境にはLEDビジョンは適しません。設置場所の環境は事前に把握し、機器も必ず屋外仕様のものを選びましょう。
まとめ
一般的に、LEDビジョンは大画面で映像を流したい場合や、遠くから目立たせたい場合に適しています。抜群の訴求力を秘めているのは間違いありませんが、導入コストもそれなりに高くなるため、そのメリットと導入目的から最適な機器を選ぶことが大切です。DDSでは屋内/屋外LEDビジョンの提案・施工〜運用サポートまでワンストップで提供しています。導入をご検討中に方はお気軽にお問い合わせください。
- LEDビジョンは抜群に明るくて目立つ
- サイズ・形状も自在に決められる
- 視認距離から最適なピクセルピッチの機器を選ぶ
- 屋外設置の場合は、必ず屋外仕様のものを選ぶ
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