デジタルサイネージは電車内や街中に設置されるようになり、広告として活用されているのを目にする機会も少しずつ増えてきています。
しかし広告以外の用途にもデジタルサイネージが活用されているのをご存知ですか?
今回はそんなちょっとユニークな活用事例を紹介していきます。
プロ野球・楽天イーグルスの「観客参戦型ゲーム」
最初に紹介するのは楽天技術研究所が提供している観客参加型のゲーム、「ダイナミック ボートレース イニング」です。
「At Eagles」というアプリをダウンロードし、モニターとスマホアプリを連動させて行うゲームなのですが…
接続するモニターはなんとプロ野球東北楽天イーグルスのホーム球場の巨大モニター!試合観戦に来た多くの観客が同時に参加できるボートレースゲームになっています。
4回裏終了後のイニングの間で開催され、レースで応援する選手を選んで着順の予想を狙うゲームになります。
予想が当たると選手の缶バッジプレゼントなどがあり、さらに予想的中者の中から抽選でサイン入りボールが当たります。また、レースが始まるとスマホにボタンが表示され、連打することで連打数に応じポイントが割り振られます。
このポイントは予想が敵中すると10倍になり、ランキング機能によりシーズンを通してポイントが加算されランキング上位を目指すことができます。
このゲームの特徴として、以下が挙げられます。
○ 多数の人が参加する大型のリアルゲームである
○ シーズンを通して持続的に行われ、プレゼントやランキングなど参加したくなるメリットがある
大型デジタルサイネージとアプリの連動によりゲームへの参加の敷居も低く、通年で参加できるため持続的に体験を楽しむことができます。試合そのものは選手によって、レースゲームは観客が参加することでより球場の一体感が生まれます。
神戸市 バス車内で大喜利体験
続いては神戸市内で行われている、関西らしいユニークな施策です。
神姫バスグループの広告代理店「神姫クリエイト」がバスに設置されているデジタルサイネージを使い、回答募集型の大喜利を始めました。題目は「ゴージャスやなあ。どんなバス?」です。
2019年4月1日から始まったばかりのこの企画ですが、10日ほどで通学でバスを利用する学生を中心に100件以上の回答が集まっており、5月までには優秀作が「社員の独断と偏見で」選ばれ、決まったものは今後バスのデジタルサイネージ上で放映されるようです。
この企画の大きな特徴は、問いかけから募集、優秀賞の掲示まですべてバス内のサイネージ上で行っていることでしょう。普段のニュースや広告に織り交ぜながら流すことで注意を集めやすく、今後また同じ画面を見れば結果も知ることができるのでリピート性もあります。デジタルサイネージの複数の情報を連続して流すことができる特性を活かした事例と言えるでしょう。
上海 デジタルサイネージ体験でコーヒーGET
続いては日本を離れ、中国・上海で行われた体験型サイネージを紹介します。
上海の地下鉄人民広場駅で行われた、中国ネスカフェによるコールドブリューコーヒーのプロモーション体験ゲームです。
駅構内に設置されたデジタルサイネージの前の指定された位置に立つことで画面が反応しゲームスタート!プレイヤーは画面の中でコーヒーのボトルとなり、上から落ちてくるコーヒーのしずくを受け止めていきます。30秒以内にしずくでボトルを満たすことができればゲームクリア、画面に表示されるQRコードを読み取りそれを近くの自動販売機で使うことでコールドブリューコーヒーを無料でもらえることができる仕掛けになっています。
こちらも楽天の「ダイナミック ボートレース イニング」と同じく参加する側が景品をもらえるというメリットがあり、さらに特徴としては駅構内なのでより様々な人がたくさん参加することができます。
クリアすればコーヒーの実物がゲットできるので、それがどんな商品なのかを実際に味わって知ることができます。何よりただゲーム体験であるだけでなく宣伝しているコーヒーそのものがもらえるので、スーパーの試食のように商品の体験を兼ねることを可能としています。これはデジタルサイネージを使用した広告例としてとても面白いのではないでしょうか。
「場を共有する」参加型デジタルサイネージ
ここまで紹介してきた3つの例はいずれもデジタルサイネージで流す情報に何らかの方法で視聴者が参加できるものになっています。
情報が受け取る側へ一方通行的に流れる従来の広告表現とは大きく違いますね。インターネットが普及し、欲しい情報に簡単にアクセスできる現代では、ただ情報を流しているだけでは見てもらえません。ふと目を向けてしまうような、興味を惹かれるコンテンツが重要になってきているのです。
そこで注目されつつあるのが今回紹介したような「リアルな体験を提供すること」です。その場にいる人を巻き込んで同じ体験を共有することで、よりもターゲットの感情に訴求することができます。
そして、こうした参加型コンテンツを展開できるのはデジタルサイネージの大きな特徴です。スマホなどのモバイル端末やインターネットに接続することができるため、このような双方向的なコンテンツを実現できます。参加型デジタルサイネージは発信元と受け取る側をつなぐコミュニケーションツールとも言えますね!
まとめ
デジタルサイネージは広告やニュースを流すだけにとどまらず、他の電子機器と連携したり直接体験をすることができ、その新しい活用方法が注目されています。
今回ご紹介した参加型のデジタルサイネージも、新しい広告表現として今後普及していくでしょう。
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デジタルサイネージは広告を流すだけではなく、参加型コンテンツも展開できる
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スマホなどのモバイル端末やインターネットとの連携もサイネージならではの特徴
- その特徴を活かすことで、リアルな体験を提供するという新しい広告表現が可能になった