【現地取材】東京の街にデジタルサイネージの未来を見た話

こんにちは!ライターの阿部です。
先日、東京都内のデジタルサイネージスポットを巡ってきたのですが、行く先々でたくさんのデジタルサイネージを見ることができました。広告に止まらずいろんな用途で活用されている東京の街に感動したので、今回はその内容を紹介したいと思います。

東京駅〜銀座

丸の内北ドーム(北改札口)

スタートはここから。東京駅の丸の内北ドームです。明治時代の建物の作りを再現したレトロな雰囲気漂うこの空間には デジタルサイネージの液晶ディスプレイが4面設置されています。2012年に建物の建て替えと同時に設置され、現在稼働7年目。流れている内容としては、稼働時間のうちの5割ほどが広告、残りはJRのコンテンツ。かなり大きめのディスプレイなので、ドームに足を踏み入れるとすぐに目に入ります。

デジタルサイネージ

出口の上に横長のデジタルサイネージ

この場所に設置したのは建物所有者であるJRからの指定だったそう(ここしか付ける場所がなかった)。意外にも、このレトロな雰囲気の建物に自然な感じで溶け込んでいました。
 
レトロな建物に自然に溶け込むサイネージ

丸の内地下通路

東西南北に伸びる広い地下通路、この通路に並ぶ柱にも大画面のデジタルサイネージがずらり。昨年設置されたばかりだそうです。南北の通路にあるディスプレイはテナントの販促用、東西のディスプレイには広告が流れるようになっていました。大きなディスプレイが通路の奥まで並んでいる光景はなかなか圧巻です。歩く進行方向に並んでいるので、広告が切り替わっても見逃すことがありません。こうした設置方法は全国の大きな駅では主流になってきています。

デジタルサイネージ

複数面で同時放映し、歩行者の認知度が向上

東京メトロ丸の内中央改札前

改札口のすぐ横に目を引くブルーのデジタルサイネージが。これは東京メトロが設置したもので、電車の運行情報や東京メトロのプロモーションが流れます(一般の広告はナシ)。若干ディスプレイが小さめなので、電車が止まったたりして人が殺到したときには見えづらいかもしれません。しかし改札口の真横にあるのは利用者にとっては便利ですね。

東京メトロのデジタルサイネージ

東京メトロが所有するサイネージ。運行情報や自社プロモーションが流れる。

東京駅前丸ビル

2002年9月に開業した東京駅前の丸ビル。それと同時にスタートしたのが「丸の内ビジョン」という街メディア。エリア内のデジタルサイネージには、三菱地所がブロードキャストでコンテンツを配信しています。テレビで言う地域放送のようなイメージですね。開業当時、デジタルハイビジョン方式でのエリア放送は世界初の試みだったとのこと。また、地震や台風などの災害時にはNHKの緊急放送が流れるようになっています。近年は毎年のように自然災害が猛威をふるいますが、こうした状況を想定したオペレーションがNHKとの間で決められているそうです。

そして注目すべきはこのディスプレイ。よく見ると、ガラスに直接貼り付けられています。これは『インフォベール』という特殊な接着剤が使われており、省スペースでデジタルサイネージを設置することができます。そしてこの『インフォベール』の特徴が“クリアな映像”。接着剤とガラスの屈折率が同じため、エアギャップなくクリアな映像を実現しています。

丸の内エリアデジタルサイネージ

特殊な接着剤でガラスに直接ディスプレイを設置

裏から見るとこんな感じ。見事にガラスに張り付いています。このディスプレイの重さは20kgほどあるそうなのですが、しっかりと固定されていてビクともしません。こんなふうにガラスに直接設置できれば、いろんな場所でデジタルサイネージの利用が可能になりそうですね。画期的な技術だと思います。

裏から見た図。ディスプレイがしっかりガラスに固定されている

この他にも、丸の内エリアにはいたるところにデジタルサイネージが設置されています。

丸内デジタルサイネージ

マルキューブビジョン(166インチ)

大丸東京駅

実はこのスポットが一番気になっていました。【トイレの空き情報がリアルタイムでわかるサイネージ】です!

トイレの空き情報がわかるサイネージ

トイレの空き情報がリアルタイムでわかる

都内の企業が開発したシステムで、施設内のトイレ利用状況が一目でわかります。ディスプレイの端にあるQRコードをスマホで読み込むと…
 
デジタルサイネージ
スマートフォンでも空き情報が確認できる このようにスマホでも空き情報を見ることができます!トイレのほかに、テナントで入っている飲食店の空き情報もわかります。これまでありそうでなかった、とても画期的なサービスですね!助けられた人もきっと大勢いるでしょう。前日に創業者の方のお話しを聞く機会があったのですが、とても熱い想いをもってこのサービスを創り出したそうです。いろんな意味で社会を変えるサービスだと思います。

東京駅中央通路

そのまま東京駅の中央通路を進んでいくと、AI(人工知能)による駅構内案内の実証実験がおこなわれています。「AIさくらさん」という名前に、日本らしいかわいいイラスト。なんとこの「さくらさん」、ディスプレイに付いているマイクに向かって質問すると、音声と地図で答えてくれるのです!AI技術の凄さを感じます…他言語対応しているので、外国人観光客でも安心して使えます。まだ実証実験の段階ですが、そう遠くない将来、全国で「さくらさん」のようなAIが道案内をする日がくるでしょう!

音声入力で道案内をしてくれるAI。もちろん他言語対応

GINZA SIX

電車に乗って移動した先は銀座!数年前にオープンして話題を呼んだ『GINZA SIX』に潜入です。入口を入ると、早速フロア案内のデジタルサイネージが!タッチパネル機能のない通常の液晶ディスプレイですが、施設コンセプトに沿ったスタイリッシュなデザイン。施設内の各所にあるディスプレイの見せ方にもこだわりが感じられます。

GINZA SIX

スタイリッシュなディスプレイ

デジタルサイネージ

設置の仕方にもコンセプトが見える

そして圧巻だったのがこれ!日本ではかなり珍しい超高解像度のLEDディスプレイを使った空間演出!フロアをまたいで伸びる縦長のディスプレイの中を、まるで本物のようにリアルな滝が流れていました。

teamLAB

国内でも珍しい高精細LEDディスプレイによる空間演出

並々ならぬこだわりを感じる空間演出ですが、ナビゲーターの方によると「このサイネージシステムだけで億を超える導入費用がかかるのではないか」とのこと…。圧巻の一言につきる迫力でした。銀座に足を運んだ際は見る価値アリのおすすめスポットです!

渋谷〜新宿

渋谷スクランブル交差点

皆さんご存知の定番スポット!渋谷駅前のスクランブル交差点です。この場所にきたということは、見るものは1つ!(いや、6つ?) そう、スクランブル交差点を囲むように立ち並ぶ6機の大型ディスプレイ!これだけ巨大なデジタルサイネージが視界一面に広がるスポットも、日本を見渡してもこの場所ぐらいではないでしょうか。交差点中に響き渡る音声付きの広告は迫力満点です。

渋谷スクランブル交差点

巨大スクリーンが集まる渋谷駅前交差点

ちなみにこの渋谷の巨大デジタルサイネージ群はアメリカ人にとっては珍しいらしく、かなり人気のスポットになっているそう。アメリカのデジタルサイネージと言えば「タイムズスクエア」ですが、このタイムズスクエア、実は一つのディスプレイに流れるのは同一企業の広告だけ。一方、渋谷の巨大ディスプレイは次々に違う企業のいろんな広告が流れており、この違いがアメリカから来た観光客にとっては興味深いそうです。
ほかにも、渋谷エリアではいたるところにデジタルサイネージがあります。まさに日本が誇る“サイネージのメッカ”ですね!

渋谷のデジタルサイネージ

周辺を歩いてもあちこちにデジタルサイネージがある

新宿 ユニカビジョン

この日最後にやってきたのは新宿。ここにも大迫力のデジタルサイネージがあります。それが『ユニカビジョン』。

ユニカビジョン

新宿のランドマーク「ユニカビジョン」

新宿東口、ペペ前広場の向かいにそびえる巨大スクリーンです。このユニカビジョンでは定期的にアーティストのライブ映像を流しており、この辺りがライブ会場のようになることも!「場の空気がひとつになる」ような熱気に包まれるそうです。さらに専用アプリを使うことで、スマートフォンと連動してライブコンテンツを聴くことができます。(こちらの記事でも詳しく紹介しています)
「広告を流すだけ」という従来の用途を超えた、デジタルサイネージの新たな活用事例と言えますね!

まとめ:デジタルサイネージが生活の一部になる日も近い

東京各所を巡って、「デジタルサイネージってこんなに便利なのか!」ということを改めてと感じました。思わず立ち止まって見入ってしまうようなかっこいいサイネージ広告もたくさんありましたが、広告としての用途以外にも、本当に様々なシーンでデジタルサイネージが普及し始めています。この記事で紹介した「トイレの空き情報がリアルタイムでわかるサイネージ」はその際たる例だと思います。インターネット環境が向上した現代、「いままさに情報を必要としている人」に対して、タイムリーな情報を提供できるのです。ふだんの生活で感じる「ちょっとした不便なこと」も、デジタルサイネージが普及することによって解消されていくかもしれません。そう考えるとわくわくしますね!
以上、東京からのリポートでした!

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