「デジタルサイネージを導入したいけれど、費用はどれくらいかかるのか?」、「なるべく安く導入する方法はある?」、デジタルサイネージやLEDビジョンの導入を検討する際、まず、気になるのが「本体価格」ではないでしょうか。しかし、実際には、屋内デジタルサイネージ、屋外デジタルサイネージ、LEDビジョン、それぞれで必要な仕様や性能が異なるため、価格帯にも大きな違いがあります。例えば、屋外用では高輝度や防水性能が必要になり、LEDビジョンではピクセルピッチやサイズによって費用が大きく変わります。そのため、単純に「安い・高い」だけではなく、「まず何が必要なのか」「どこに費用がかかるのか」など、設置環境や用途に合わせた選定が重要です。
今回、屋内デジタルサイネージ・屋外デジタルサイネージ・LEDビジョンの3つに分けて、本体価格の相場や価格差が生まれる理由について詳しく解説します。
屋内デジタルサイネージの本体価格相場
屋内デジタルサイネージは、店舗・商業施設・ホテル・オフィスなど、さまざまな施設で導入が進んでいます。比較的に導入しやすいサイネージです。しかし、実際の価格は画面サイズ、輝度(画面の明るさ)、稼働時間、タッチ機能、さらにカスタマイズによる仕様の変更などによって本体価格が大きく変わります。
| サイズ | 価格相場※通常仕様(輝度350〜500cd) | 主な設置場所 |
|---|---|---|
| 32インチ〜43インチ (小型) |
約6〜50万円前後 |
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| 49インチ〜55インチ (中型) |
約10〜70万円前後 |
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| 65インチ〜86インチ (大型) |
約20〜150万円前後 |
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屋外デジタルサイネージの本体価格相場
屋外デジタルサイネージは、直射日光や高温環境にさらされるため、用途に応じた温度管理が必要になります。内部の冷却方式によって価格に大きく影響します。現在主に3種類の冷却方式があります。本体価格相場とそれぞれの違いを比較してみましょう。
屋外デジタルサイネージ種類・価格比較表
| 比較項目 | 冷却ファン内蔵型 | エアコン内蔵型 | 自然冷却型 |
| 価格相場 (サイズ:55インチ) |
約100万円前後 | 約120万円前後 | 約110万円前後 |
| 防塵・防水(IP規格) | IP55 | IP65 | IP66 |
| 冷却の仕組み | 小型ファン搭載、内部の熱い空気を外へ排出する | 小型エアコンを搭載し、内部の空気を設定温度まで直接冷やす | 熱伝導率の高い筐体や背面の放熱板を通じて空気中に逃がす ※補助用ファンもあり |
| メンテナンス | 定期的なフィルター清掃、交換が必要 | 不定期的にフィルター清掃、長期的には冷媒ガスの補充・点検が必要 | 不要 |
| メリット | ・比較的明るい画面 ・導入コストや消費電力少ない ・筐体は完全防水仕様 ・収納スペースが広い、大型機器の収納にも対応可能 |
・内部を一定温度に保つことができます。 ・24時間安定してフル稼働 ・筐体は完全防水仕様 ・収納スペースが広い、大型機器の収納にも対応可能です |
・完全密閉、メンテナンス不要 ・塩害地域や砂埃の多い場所でも設置可能、 ・電気代が安く、故障リスクが低い ・動作音が静か |
| デメリット | メンテナンスの手間がかかる | ・消費電力が大きく、ランニングコストが高い ・システムが複雑で筐体と全体の重さは大きい |
・筐体の防水が弱い(モニターが完全防水) ・収納スペースが小さい。 |
屋外用デジタルサイネージの価格高くなる理由
「なぜ屋外用になると数十万円〜百万円以上もするの?」と疑問に思われる方も多いです。それは、屋外用デジタルサイネージには、過酷な屋外環境でも安定稼働できる特殊設計が必要になるからです。屋外サイネージは、単に「外に置けるディスプレイ」ではありません。雨・風・直射日光・気温変化などに対応するため、防水性能・高輝度設計・放熱構造など、さまざまな機能が搭載されています。本体価格が高くなる主な原因として、主に以下の6つが挙げられます。
1. 防水・防塵性能が必要
屋外用デジタルサイネージでは、防水・防塵性能が非常に重要です。屋外環境では、雨・湿気・砂埃・排気ガス・黄砂など、さまざまな外的要因にさらされます。そのため、屋外用サイネージには、防水・防塵性能に対応するため、屋外用デジタルサイネージでは一体型筐体が採用されるケースが多くあります。内部へ水やホコリが侵入しないよう、高い防水・防塵設計や密閉が備えた特殊構造が必要です。これらの特殊構造は屋外用デジタルサイネージの本体価格は高くなる要因の一つです。
2. 筐体(ボディ)が特殊構造が必要
屋外用デジタルサイネージの筐体は、単なる外装ケースではありません。一体型筐体には、金属筐体・放熱構造・配線収納機構などが組み込まれています。内部には、防水構造、排熱構造、配線保護、電源保護、メンテナンス構造など、屋外環境で安定稼働するためのさまざまな機能が備わってます。さらに、錆対策・紫外線対策・耐候塗装などを施しています。
3. 高輝度ディスプレイが必要
屋外では、太陽光の影響によって画面が非常に見えにくくなります。一般家庭用テレビの明るさ(約300〜500cd/㎡程度)では、昼間の屋外ではほとんど視認できません。そのため、屋外用サイネージでは「高輝度ディスプレイ」が必要になります。高輝度化に伴い、LEDバックライト、電源設計、放熱性能なども強化する必要があり、その分、本体価格が高くなります。さらに、屋外環境では高温や紫外線にも対応する必要があるため、耐熱性能・耐候性能にも求められます。屋内用サイネージの輝度は約300〜500cd/㎡程度です。一方で、屋外用サイネージでは約2,000〜4,000cd/㎡以上の高輝度仕様が必要です。
4. 放熱・冷却システムが必要
屋外用デジタルサイネージは、夏場の直射日光や高温環境で本体の内部の温度が非常に高くなります。特に金属筐体は熱を蓄積しやすく、内部温度の上昇の原因で液晶劣化による映像不良を引き起こし、最悪の場合は部品故障やシステム停止がにつながることもあります。だから、一般的に屋外用サイネージには、冷却ファン、放熱設計、温度管理システム、エアコンユニットなどが搭載されてます。高性能な冷却システムを採用するほど、製造コストも上昇します。
5. 強化ガラス・耐衝撃設計が必要
多くの屋外用サイネージでは、強化ガラス、飛散防止設計、耐衝撃パネルなどを採用しています。それは、屋外設置では、通行人との接触や飛来物などによる衝撃リスクがあるためです。特に駅前や商業施設では、人通りの多い場所では高い安全性が求められるため、安全基準を満たした筐体設計が必ず必要となります。
6. 24時間運用を前提とした高耐久設計が必要
屋外用デジタルサイネージは、長時間連続稼働することが前提として長時間連続稼働、高耐久パーツ、長寿命など設計されるケースが多く、耐久性能も重要になります。そのため、家庭用ディスプレイと比較して、部品コストや製造コストも高くなる傾向があります。
LEDビジョンの価格相場
LEDビジョンは、デジタルサイネージの中でも特に高い視認性とインパクトを持つ表示電子看板です。一般的な液晶デジタルサイネージと比較すると、LEDビジョンは価格帯が大きく異なり、数百万円〜数千万円規模になるケースもあります。その理由は、LEDビジョンと一般的な液晶ディスプレイでは構造そのものが異なるためです。液晶サイネージは1枚のディスプレイを使用しますが、LEDビジョンは無数のLEDモジュールを組み合わせて巨大な画面を構成します。また、LEDビジョンはサイズ・ピクセルピッチなどによって本体価格も大きく変動します。
| 種類 | 価格の相場 |
|---|---|
| 小型屋内LEDビジョン | 100〜300万円程度 |
| 店舗向けLEDビジョン | 300〜800万円程度 |
| 屋外大型LEDビジョン | 500〜3,000万円以上 |
| 3D大型LEDビジョン | 数千万円〜 |
LEDビジョン本体価格が高くなる要因
LEDビジョンの本体価格は、液晶デジタルサイネージと同様、高輝度性能、屋外防水・防塵設計のほか、さらに、ピクセルピッチ・ LEDモジュール数によって価格が大きく変動します。
1.ピクセルピッチによって価格が大きく変わる
LEDビジョンでは、「ピクセルピッチ」が本体価格を左右する重要な要素になります。ピクセルピッチとは、LED同士の間隔を示す数値のことで、「P1.5」「P2.5」「P3.9」「P6」などで表記されます。数字が小さいほどLEDの間隔が狭くなり、高精細な映像表示が可能になります。一方で、LEDチップ数や制御性能も増えるため、本体価格は高額になる傾向があります。特に屋内LEDビジョンでは、近距離で視認するケースが多いため、小ピッチの高精細モデルが採用されやすく、価格も上がりやすくなります。一方、屋外LEDビジョンでは、比較的遠距離から視認するケースが多いため、P3.9〜P10程度の中〜大ピッチモデルが採用される場合があります。
| ピッチ幅(P) | 主な用途・視認性 |
|---|---|
| P1.2〜P2.5 | 超高精細・近距離視認向け |
| P2.5〜P4 | 店舗・商業施設向け |
| P4〜P6 | 屋外広告向け |
| P6以上 | 遠距離視認向け |
2. LEDモジュール数が増えるほど価格も上昇
LEDビジョン最大の特徴は、「自由なサイズ設計」ができる点です。液晶ディスプレイではサイズに限界がありますが、LEDビジョンはモジュールを組み合わせることで超大型化が可能です。ビル壁面、また、吹き抜け空間、さらに、曲面演出、L字型3Dビジョンなども実現できます。LEDビジョンは、小型のLEDモジュールを複数組み合わせて構成されています。画面サイズが大きくなるほど必要なLEDモジュール数も増加し、本体価格も大きく上昇します。特に大型LEDビジョンでは、LEDモジュール、電源ユニット、制御基板などの部材数も増えるため、価格差が大きくなります。また、LED密度が高くなる高精細モデルでは、通常モデルよりもっと価格が高くなる傾向があります。

よくある質問(FAQ)
Q. 家庭用のテレビをサイネージとして代用すれば安く済みますか?
A. 初期費用は抑えられますが、おすすめできません。
家庭用テレビは長時間の連続稼働を想定しておらず、業務用途で使用すると故障のリスクが高まるだけでなく、メーカー保証の対象外になることがほとんどです。また、業務用サイネージは輝度(明るさ)が高いため、日中の明るい店舗や窓際でもしっかり映像が見えるという決定的な違いがあります。
Q. LEDビジョンの価格が製品によって大きく違うのはなぜですか?
A. 画面サイズだけでなく、「ピッチサイズ(LED素子同士の間隔)」が価格に直結するためです。
ピッチサイズが狭い(細かい)ほど高精細で綺麗な映像になりますが、その分使用するLED素子の数が膨大になるため高額になります。通行人が間近で見るのか、遠くから見る看板なのか、「適切な視聴距離」に合わせてピッチサイズを選ぶことがコストを最適化するコツです。
Q. デジタルサイネージ本体の寿命(耐用年数)はどのくらいですか?
A. 一般的に、業務用液晶ディスプレイの寿命は約3万〜5万時間(1日12時間稼働で約7〜10年程度)、LEDビジョンは約10万時間(約10年以上)と言われています。
ただし、直射日光や雨風、寒暖差の激しい屋外に設置する場合は環境による劣化が進みやすいため、5〜7年程度を目安にリプレイス(機器の入れ替え)の予算を想定しておくことを推奨します。
屋内デジタルサイネージ、屋外デジタルサイネージとLEDビジョンで本体の価格の相場と価格の違いの要因をご紹介しました。デジタルサイネージは、単純に「安い・高い」だけで選ぶ設備ではありません。高ければいいというわけではないです。「どこで、何の目的で使うのか」を明確にすることです。必要以上に高性能な設備を導入すると過剰投資になり、逆に性能不足では十分な効果を発揮できません。
次回、設置工事から、導入価格の違いを続きでご紹介します。
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