デジタルサイネージの電気代はどれくらいかかるのか

街を歩いていると、飲食店や店頭の広告としてデジタルサイネージが使われている場面を見かけることも増えてきました。広告として使用する以上、ランニングコストは気になるところですね。この記事では、デジタルサイネージを導入したあと運用していく上でかかる電気料金、そして最適な機器を選ぶポイントについて解説していきます。

デジタルサイネージの電気料金

電気料金の考え方

1ヶ月の電気料金は以下の式で求められます。

【消費電力 × 1日の使用時間 × 使用日数 × 1kWh単価】

式を見ると、「消費電力」と「使用時間/日数」がデジタルサイネージの電気料金に関係していることがわかります。消費電力はディスプレイの仕様によって違ってきます(デジタルサイネージを設置する場所によってディスプレイの仕様を決める必要があるのですが、これについては後述)。
「1kWh単価」はそれぞれの電力会社との契約内容によって異なりますが、目安は27円です。デジタルサイネージの使用時間はもちろんケースバイケースですが、飲食店や店舗であれば1日あたり8時間前後が一般的な目安となるでしょう。

デジタルサイネージの電気料金(目安)

では、デジタルサイネージの電気料金はどれくらいかかるのでしょうか。ここでは飲食店や店舗で使用することを想定し、一般的なサイズのスタンドアロン型液晶ディスプレイの電気料金をまとめてみました。
デジタルサイネージの電気料金
ここでポイントになるのが屋内と屋外の場合の電気料金の違いです。屋外で使用する方が電気料金が高くなっていますね。これは屋外用ディスプレイの方が画面が明るく(=輝度が高い)、消費電力が大きいためです。この輝度がデジタルサイネージを導入する上で大切なポイントになってきます。次の項目で詳しく見ていきましょう。

デジタルデザインサイネージの導入事例

スタンドアロン型のデジタルサイネージ(液晶)

画面の明るさを選ぶ目安

屋内と屋外でディスプレイを選ぶ

前述したように、デジタルサイネージの消費電力は「ディスプレイの明るさ(=輝度)」が関係しています。輝度とは「カンデラ(cd/㎡)」という単位で表される数値で、輝度の数値が高いほどディスプレイは明るくなり、消費電力も大きくなります。
屋外で使用する場合、太陽の光に負けないような明るい(=輝度が高い)ディスプレイが必要です。逆に屋内での使用であればそこまで明るいディスプレイでなくても見えるでしょう。つまり導入する場所に合った最適な輝度のディスプレイを選ぶことで、消費電力を最小限に抑えることができるのです。場所ごとの輝度の目安は以下の通り。

  • 屋内:400 〜 700 cd/㎡
  • 日差しの当たる屋内:700 〜 2000 cd/㎡
  • 屋外:2000 cd/㎡以上

※屋外の場合は防水防塵対策も必須になるため、筐体に入った屋外専用ディスプレイを選びましょう。

ちなみに屋外に大画面で設置するような場合は、液晶ディスプレイよりも格段に明るいLEDディスプレイがオススメです。消費電力は多少大きくなりますが遠くからの視認性は抜群です。

画面の明るさ以外の要因

ディスプレイの大きさ

ディスプレイの大きさも消費電力に関係し、大画面であるほど消費電力も大きくなります。飲食店や店舗で看板の替わりに使用するような場合、上の試算表にある43インチサイズが持ち運びもしやすく実用的です。
一方、屋内で70インチを超える大きな液晶ディスプレイを導入する場合は注意が必要です。液晶ディスプレイは80インチを超えると受注生産となる場合が多く、導入費用が一気に跳ね上がります(100万円以上)。その場合、必要な表示面積にもよりますが複数のディスプレイを繋げあわせるマルチディスプレイの方が導入コストが抑えられる可能性があります。しかし複数のディスプレイを使用することで消費電力が大きくなりますので、その点は留意しておきましょう。

マルチディスプレイ。複数のディスプレイを繋げて表示する。

マルチディスプレイならSTBが必要

マルチディスプレイを導入する場合、1つのコンテンツを複数のディスプレイにつなげて表示するためにSTB(セットトップボックス)が必要になります。STBはWI-Fiを受信する端末で、ディスプレイと接続することでネットワーク経由でデジタルサイネージを管理することができます。STBは基本的にディスプレイ1台ごとに必要になります。タイムスケジュールでコンテンツを変更したり、複数のディスプレイを一括管理できるなどのメリットもあります。消費電力は機種によって異なり2 ~ 15W程度と幅がありますが、上の試算条件で計算すると15Wの場合でも約97円/月 程度です。

まとめ

デジタルサイネージはコンテンツの修正・更新の手間が少なく、使い方によってはこれまでかかっていた金銭・人的コストの削減につながる場合もあります。機器の購入費用はかかりますが、長期的な費用対効果を考えれば導入検討は大いにアリでしょう。
電気料金は以下のサイトで簡単に試算できますので、参考にしてみてください。


  • 使用場所が「屋外か、屋内か」によって電気料金が変わってくる
  • 屋外の場合は高輝度、防水防塵対策が必須
  • デジタルサイネージの導入前に目的と重要視するポイントの選定が大切

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